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ひとりごと

エジ神アンソロ完売/「わが西遊記」よんだ

昨日イベント行ってきました!
(寄ってくださった方、ありがとうございました!)
 2014年刊行のエジ神アンソロ、最後の一冊が出て、これで完売となりました。
 年に2回か3回くらいしかイベントに行かないもので(しかもほとんど小倉と大阪のコミティアw)、完売まで長くかかってしまって、アンソロに参加してくださった皆さんには申し訳ないです><
 けど、手に入れてくださった方が、本当にうれしそうに手に取ってくださったのを見てきてるので、きっとご本、楽しんでいただけてるのではないかと。思っています!



 さて個人的なことで、
 次も九州コミティアには出ようと思ってますが、たぶん年に一度、来年秋かな…?
 それまでは特に予定がなくて(笑)、何かあったらどこか行くかもみたいな(気分次第~)!
 小倉はほんとうに交通費的にもすごくたすかる…てへへ。
 まだ九州コミティア3の予定が出てないのであれですが…。参加するなら何かかけよって感じですね、絵くらい描けよ!w
 次もし出れたら、文芸ではない方にいるかもしれません…。まあ、どこにいても一緒かな!?
 
 またお会いできると嬉しいです!

***

 イベントのおとも本は中島敦全集2(文庫)でしたー。
 こういう時しか読まないんでほんとに…。
 今のところ「弟子」がマイベストなんですけど、
 南島譚はとっても興味深く読みましたやっぱいいなー南国の話。何が面白いって、今の常識とは違うところ。今、わたし達の持ってる常識感覚が「当たり前」とかつい思いがちだけど(私がね)、実際はそうじゃない、多様な価値観があって、そこから成り立つ約束事や習慣があってみたいな…おもしろいっすよね! いや実際その中に放りこまれたら生きるの大変と思いますけど><
 これはお話ってか手記みたいなとこある感じですけど。面白い。やっぱ小説よりそういうののほうが好きなんじゃね私。
 同じ外国の話でも古譚はたぶん元の話からいじって「物語」にしてると思うんですよね、中島敦の作品《元ネタあり》って感じで。それはそれでやっぱ面白いですけど!
 あ、なんかあれですよ私文学が好きとかそういうアレじゃないので。だって他のぜんぜん読む気ないですからね…。
 1(山月記とかあって懐かしいちょっともう一回読もうと)と3(セトナ皇子…つまりサトニハームス=カーエムワセト王子、を元にした創作が入ってる。古代エジプトの!)は先に手に入れてざっと読んだですけど、2は「わが西遊記」の魅力を教わったのがちょっと後だったので、遅れて手に入れました。
 いやあ。よかったです! 先に抜粋で教えてもらってたものとまた違う魅力もあったです!
 てわけで創作絡めて思ったことを以下に。


***(つづき)***

 わが西遊記(←本の編集者がふたつをまとめて付けたタイトルらしい)は、『悟浄出世』と『悟浄歎異』があって、
 後者を先に書いていたんじゃないかということですが(そして後者の抜粋の方から興味をもって読んでます)、
 テイストがだいぶん違うんです。けど、出世もすごくよかったっていうか、お話としての起伏はあんまりないんですけど(という作品がいくつかあるですよね)、頭の中でこねこねしまくってる様子がそのままだらだら書かれてるような、そういうやつが中島作品にはいくつかあるようで、それが、けっこう好きだったりします。
 これはでも、思想の羅列みたいなところがあって、ちょっとわたしには難解に感じたんですけど、あれやこれや偉い人の考え方を出しておいて、でもどれも満足しないでいるうちに、ぐるっと回って元に戻る感じなのがいいんですよね。
 もう他の人みたいに飛び込んで狂人になっちゃえばいいのに、なりきれないで苦しいとか言って、それでもぜんぜん普通じゃないしもう普通になれるわけないのにねみたいなつっこみwとか、たまにグッサリきたりしながら、
 でも最終的に、特に大きなきっかけもなく、あるときなんか、ふっと、前を向くようになるんですね。
 そして、ちょうどそこで偉い人の話を聞いて、今度は、何かを得たと思う。
 そのときのせりふがよくて。

 「そういう事が起りそうな者に、そういう事が起り、そういう事が起りそうな時に、そういう事が起るんだな。」
 

っていう。
 つまり、その時聞いた言葉ってべつに新しくない、前もそういうの聞いたじゃんって。でも、今は、なんか響いちゃうんだよねみたいな。(そういうきっかけになったらしいことが、漢詩で表現されてます。むっちゃおシャレくない? いいわー趣味全開みたいな感じで)
 けっきょく何かすごいものを得てズガーンと来るっていうより、ぐるぐる回ってるうちになんかそういう時が来るってか、こっちから向かっていくもんじゃなくて、機が熟したら自分のうちに(それを受け止められる力が)湧くのかな的な?
 こういう、そうだよねやっぱそうなるよねみたいな、すごい納得のとこに落としてくれるので、中島敦のやつが好きです(ものによるけど)。今のところ。

 悟浄のもやもやぐじぐじと思想の入り乱れ状態だった出世から一転、歎異では生き生きと、西遊記の主要キャラについて、彼の視点でその魅力を描きだします。
 いやーすごい、キャラ推しですよコレ。むっちゃ原作読みたくなってくるw
 特に悟空の描き方はほんと。いろんな意味でその魅力がすごい伝わるってか私個人にはこれはすごい魅力。
 悟空は、言ってみれば悟浄と正反対、考えないで行動する人、理屈じゃない人ですよね(いやまあ猿ですけど!)。いろんなものの名前とか仕組みとかそういう常識的なことを知らない。無知無学、教養がない。でも、直感でその本質は分かるんですよね。その大事な部分を感覚でかぎ取れる。
 悟浄なんか、ものの名前や理屈をよく知っている、学がある、けど、その本質を悟空のようにその身で確かには知れないんですよ。(あ―これが、うちの創作の中で言う、知属の弱さなんだよってwおもったのw)
 その悟浄が、悟空を手放しでほめてこう言うのです。

 「目に一丁字の無い此の猿の前にいる時程、文字による教養の哀れさを感じさせられることはない。」

 すごいですよね…。むっちゃいいなと思います。自分は好きですこの一文。
 その他、書いてると全部になるのでしませんがw、悟空の戦いぶりの神々しさを描写したところとか本当に素敵です、こういうのは文字でこそ、というかんじがします。イメージがすごく湧くんですけど、映像にしえないというか、あまりに綺麗で(強くて)って感じがしてしまうところで、他人の解釈で勝手に映像にしてほしくないというかwww あー好き!
 悟空は火だ、と悟浄は言うんですね。あたりに火をつけ、ときに焦がして損ないw、煽ってより燃えさかる火だ、みたいな。しかも災いはこれにとっての油であるとまでいう(すごい)。
 それって、ラアだよね、みたいな。
 あれーそういうの書かなかったかな、書いたつもりで書いてなかったかな>< いや書いていたとしても、ぜんぜん比較にならないアレなんですけど!
 あ――こんなふうに表現できたらな!という感じです。なるほど―――ラアは悟空だったのかww もっと早く読んどけばよかったかなw
 でも、悟空はそういう、すごい力を結局は戒められ、反省して、善行に用いるふうに転化するじゃないですか。(限界を知ることは、強さを確かにするために欠くべからざる云々みたいなことは私も思うです…)
 ラアは、そうなりえなかったのかな…?
 …とか、自問してしまったw

 もう何度も書いてますけど、
 ほんとこの、ラアの決断、最後の展開というか、あのあたりですね。
 こういうの、書いちゃダメなんじゃないかと。
 まず私が、そういう感覚をどう収めるか分かっていないために、明らかに(善悪で言えば)「間違い」である選択を、そのまま書いちゃうとかって、どうなのか。
 ちゃんとわからないと書いちゃダメなんじゃないか。…みたいな。
 物語って、やっぱ「正しく」終わるべきなのではないか、その「正しさ」を示せないものは、物語として間違ってる、あってはならない、のではないか、みたいな。
 それでもまあ、書きたかったんですよね。
 そういうのが、実際間違いで、その先を知ってからきちんと書かれる「べき」であったとしても、今そういうものを事実感じたということを書くことは、無意味ではないかも、みたいな。

 でもどうしても書きかたったのは何でかって、
 けっきょく、そういう衝動が、実際あるんだっていうその事実。
 善悪の枠に押し込める前に、ただそれが存在している、事実ある、んだということを、隠したくなかった、認めるべきだと思った。んですね、たぶん。
 プリミティブな感情だと。そういうものを、描きたかったんだなっていうか。
 善とか悪とかいう枠で語りたくなかったんすよ。って昨日気付いたw

 うちは絵本とか大好きなんですけど、
 なんでって、根源的なものとか好きだから。はじめから自然に湧く感情みたいな、そういうやつですね。
 それが、間違ってるからって、ないことにしてほしくない。
 そういう気持ちで、最後までどうにか書ききったんだろうなあ。

 みたいな!

 そういうわけで、読んだ後もやっとさせるかもしれないけど、
 誰か、そういうものに共感してくれる人がみつかるかもしれない。とか、
 とにかく、そういうものがあってもいいよね!くらいのあれです。はい!

 いやあしかし、難しい。
 ご本の続き、また楽しいところが続く限りは読んでいきますー 最後の方の書簡とかは読まなげw

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