文字を読むのがあんま得意でないので
本を読むときは「これを吸収したい」と具体的に対象をおもったときで
今回は「神話学」ていうか「『神話』って何?」という定義の問題を知りたくて読んだ。
ひとつ前の記事の、松村一男氏のも面白かったんだけど
一番目的にかなったのは大林太良氏のだったよ。
その後もう一つ読んで悪くなかったけど
いま、オリエントの神々というのを読んでて――やっとメソポタミアの方とエジプトの比較を読む気になったので(笑)、
これ読んだら神話学とか比較はいったんおしまい。
こういう、初めてその分野に手を出すとき、特に基本を知りたい時、
何を手に取っていいか分からないのがつらい。
無駄に面倒なものも読んじゃったし(でも1/5の失敗であるので全然当たり引いた方だよね)。
レビューとか参考にしたいのに、書いてなかったりして。
内容も当てにならんことあるしな…。ものによるけど。
今回は一番評価たくさんついてるやつを先に読んだんだけど
悪くは全くなかったけど、求めてるのじゃなくて。
神話とは何か、の問いに答えてほしかったので…。
ざっと他も見てみると、
実際の神話の内容を説明しているもの、
神話学というならそれを実際に並べて比較しているもの、しか、あまり評価されないのかなという感じを得た。大勢の興味の方向がそっちかなっていう。
私も、神話の「比較」研究に、ある程度意味があると思うようになって、こういうの探しはしたんだけど
一番知りたかったのは「神話の定義」なので
ていうか他の神話の詳細とかマジで興味持てないことを再認識(苦笑)…。
でもほんと、そういうわけで基本的なことを知らないので
読んでよかったかも(でも頭に入ってない感じするう…)。
*
もともと、エジ神しか興味がなく、
それを深めたいのが一番で
比較も必要がある、と感じだしたので手に取ったわけで。
神話、の定義も気になってたけど、
読んでいって、なんとなくわかった。かも。
それは、ほとんどの人がだいたいぼんやり受け取ってる感じのまま、つまり「物語」であるという前提を、(定義を気にしないときは特に)強く持ってるな、と。
それについては、個人的にちょっと異議あるけど…。
でも、そうして「説話」の「比較」こそが、神話学(比較神話学)というもの、だとしても、
その意味は、やはりあったと思う。
ていうのはやっぱ
たとえば、狩猟の文化では、動物が人に変じたりその逆も自在で、同じ生き物として語られる話が見られる、ということが、比較から示されると知って、
あの、先史時代のパレットに書かれてるダチョウの群れ+ダチョウの真似してる人間の図、なんかまさにそれの表現なんだ!とすごく納得したし。
いやぜったいそうとは言わんけどw、
あれどういう意味なんやろと思ってて……動物に化けて捕まえた、そのほうが捕まえやすいからみたいな解説見たことあるけど、
人も動物の一つとしてとらえるみたいな見方したほうがなんかすっと入るよ。
ただし、
かなり問題点もあるなあと感じたりもしたのも事実で。
読んだ本の中で、エジプト神話をある程度説明してるやつの、中身が、「その通りだ」と完全にうなずけたやつ、一つもない。
特に、前々から気になっていた「物語」としてとらえることの危うさというか。
(そのためにプルタルコスの話が基本とされることは本当に納得がいかない。というのは前に書いた通り、プルタルコスの伝えたあれはかなり民話よりと言えるから)(とはいえ冷静に考えれば、なんにも思想が伝わってない状態で「オシリスが死ぬ神で、セトに殺され、イシスに復活させられた」ことだけでもきちんと伝わってたのは、その後の助けにもなったんだろうなあ…そういう意味ではたしかに重要か)
ものがたり、民話、の比較という意味で
無意識下にある人の共通性とか、同じような環境に入ると似たような表現をされがちとか、
そういうことから、過去こういう社会だったと読めるというのはかなり面白いと思うし意味があると思う、
けど、
神話そのものをよく研究しようとして、それの語ろうとしていることや意義を考えたとき、
やはり説話の中身の比較を重視すると、読みとり間違うと思うんですよね。
神話どうしを丁寧に解説して比較してほしい、という声がレビューにあったりしたけど、
それぞれの神話を深く研究している人同士が対談、みたいな形でしか、不可能だと思う……。
(そういうのは確かに見てみたいけど、一対一でもかなり大変そうだし⦅なのでそれ以上となるとそれどころじゃない⦆、国内となると無理があるよね)
改めて「神話」は
神聖なものであるという定義を第一にして見るならば
その神話が語られた社会の構造、風土、思想等、広く深く背景を知っていなければならず、
エジプトは(だけじゃないと思うんだが)、神話の理解自体はまだ道の途中であるので…。
いやなんていうか
神聖さのこもった「神話」ってどっちかってと物語はついでみたいなとこがあると思って…
(民話みたいな、お話が先で、神話はそれを「広く伝える」ために「利用」したのではないか、と個人的には感じてる)、
比較神話って物語を比較するのであれば、比較民話学と同じっていうかどう違うの?みたいな。
個人的にはどっちかってと神話にどんな神聖さがどのように求められ、示されてるか?のほうに興味があるっていうか。
そうしたら、結局、宗教学みたいな話になるのかしら…。
よくわかんないけど。
読むべき本はあるので頑張ります。
英語で読み通せる気がしないんですけど… 英語のなら(でも)読むべきと思うものはいっぱいあるけど、やっぱ能力(と気力)が足らん><
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自分思い出したけど
何かの根源、みたいなことが好き、だから、エジプト。っていう選択になったとこあるんだよね。前も書いたっけ。
まあそれなら他のほうがってこともあると思うけどもうそこは出会いよね。
あと、どこの世界にもどうして「神様」みたいなのが出てくるの?みたいな疑問もあって。
神ってどこからどうやってなっていくのか(信仰というのはどうやってできていって、どう変化していくのか)みたいなの。知りたい。キリストとか以前の、人としてどうか、「始まり」はどうか、みたいな。
エジプトはけっこうその流れが見えるやつなのではないか。みたいに思ってるとこある。
あと思い出したけど
私そもそもこう、「日本人」である「私」にあまりしっくりきてないというか
まあどう考えてもものすごく実際は日本人なんだけど、
日本人としての精神性を自分の中に感じないというかあんま感じたくないというか
だから
日本の神話を(日本人なのに)しない、したくない。
そして
あまりなじみがなさそうなものを選びたいというのがあるんだろうなあとかしみじみ思ったんよ…。
よりどころにするものを求めたいみたいなのは
神話研究者には結構あるものなんじゃないでしょうか?
って神話学史みたいなこれらの本読んでて思ったよ
たぶんそれなりに年齢重ねたら、けっこうそういうこと気にする人が多くなると思ってるんだけど
日本人ならまあ仏教とか?なんとか宗とか…それとまあ日本神話。にいきそうなところ。
日本人っていうのに違和感あるので、そっちにはかかわりたくないんだな私みたいな。
とはいえやっぱ客観的に見てふつうに魅力的な部分はあって、それはキリスト教も、そしてきっとほかの宗教も一緒でしょうね。
それ以上はよく知らん。わら